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建物が焼失すると借地契約は更新されないのか▼更新される

2019年9月7日「土曜日」更新の日記

2019-09-07の日記のIMAGE
Q30年前に賃貸した土地で、期限まであと3ヶ月という時に借地人の建物が失火で全焼しました
借地人はただちに建築にとりかかる構えをみせていますが、借地法四条は、期間満了時に借地上に建物が存在することを条件に法定更新を認めていますので、建築禁止の仮処分などして、三か月間建築にかからせないておけば、更新されず土地の返還を受けられると思いますが
▼最高裁判所の考え方は更新される最高裁昭和五二年三月一五日判決の事例では、借地上の建物が契約期間が切れる三か月前に第三者の失火によって焼失(全焼)したところ、地主はその翌々日に借地人に対して「建物の再建築をしてはならない」と通告して貸地の即時明渡しを求めました
そのため、借地人は建物建築計画を進めることができないでいるうち、その後一か月も経たないうちに地主から借地明渡しの調停申立てがなされ、その調停中に契約期間が切れてしまいました
調停はその後不調に終わったため、地主はただちに借地明渡しの訴訟を起こしましたが、その理由は、契約期間の満了時に借地上に建物は存在しなかったから、借地契約は法定更新されないまま終了し、借地権は消滅したというものです
これに対して判決は、借地上の建物が火災によって滅失した後、借地人は建物を再建築しようとしていたのに、地主の建築禁止通告およびこれに続く借地明渡調停の申立てがあったために、借地人は、再建築ができなかった(再建築を妨害された)
そのために契約期間満了時に借地上に建物が存在しなかったのであるから、地主が(自分の妨害によってもたらした)建物不存在を理由に借地人の更新請求権を否定するのは「信義誠実の原則」に反し許されない
つまり、借地契約は有効に更新されたものとして扱うべきだから、地主の借地明渡請求は認められない、としました

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