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所得税の構造と各種所得

2019年10月19日「土曜日」更新の日記

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所得の大きい年には多くの税金を払わねばならないが,所得の小さい年には少しの税金ですむ。いま,課税所得と税額の関係を表に示すと図表3-6のようになる。税負担能力に応じて課税し,実質的な公平が保たれる。なかなか,うまい方法である。しかし,そうとばかりいっておられないケースもある。たとえば退職所得である。年間給料800万円の人が退職して、退職金を2,000万円もらって,その人の所得控除が200万円だったとする。給料800万円の所得税は約47万円である。退職金も給料と同じだとして,合算してかりに計算すると,約598万円の税額になる。退職金の分は,598万円-47万円=551万円となる。給料だけのときの税額が給料の約6%で、退職金は約28%となり,なんとなくおかしい感じがする。給料というのは毎年もらうものだから、少々税金をとられても,また来年も給料をもらえるからということがある。しかし、退職金は普通の人ならば一生に一度しかもらえない。それに、退職金をもらう場合は,翌年から給料が入らないのが普通である。他に勤めて給料をもらえるようになったとしても,その収入はガクッと下がることが多い。そう考えると,むしろ退職金の目減りを少なくしてやりたいというのが,国民感情にそうであろう。それに退職金というのは、給料の後払い的な性格をもっている。退職金を、勤めていた全期間に分割して,給料に加算してもらっていたら,それで増えた税額の合計は,はるかに低くなっているはずである。全所得を総合して累進税率で課税することの矛盾が,ここでは生じてくることになる。そういうことで,退職所得を給与所得から分けてそれだけをとり出し,勤続年数1年についていくらというように特別控除をして,さらにそれを2分の1にして、分離して税額計算するようになっている。いま、この人の勤続年数が25年だったとすると、税額は約52万円となる。2,000万円の退職金の2.6%であり,これくらいならなんとなく納得のいく数字である。つぎに、事業所得と給与所得を比較してみよう。事業所得の計算は一般に,売上げから,その仕入代金やその他の諸経費を引いて求める。しかし、給与所得はそうでない。給与所得についても,必要経費を認めろという主張もある。しかし、現在は、給与所得についての必要経費というものは、一般には認めていない。そのかわり、給与所得控除という制度がある。控除額は収入によって異なるが,収入が同じならば控除額は同額である。

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