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譲渡所得譲渡所得はなぜ特別扱いされているのか

2019年10月23日「水曜日」更新の日記

2019-10-23の日記のIMAGE
トラックの例で譲渡所得の説明をしてきたが,の範囲はかなり広い。魚屋であれば,冷凍庫などの有形固定資産があるし、店舗を借りていれば借家権もある。営業権も漁業権も含まれる。また、個人で所有する宝石、書画、骨とう,ゴルフ会員権なども含まれ,これらを売って利益を得れば,譲渡所得に分類されることになる。そして、土地・建物を売って得た利益も,譲渡所得に分類される。しかし,土地・建物については,昭和44年の税制改正で,それは譲渡所得であるが,所得の計算や税金の計算は,一般の譲渡所得と違うやり方をするのだということになった。それまでは,一般の譲渡所得と同じ計算をして税額を出していた。譲渡所得がなぜ特別扱いをされているかを,土地を例にとって説明する。地価上昇期の前から買ってあった土地は、大体買値を上回る値段になっている。現在の所得税は,売却などして利益が実現しなければ,少なくとも、収入すべき金を確実にとれる法律上の権利が生じなければ課税されないようになっている。時価が上がったからといって、売ってもいない、すなわち譲渡もしていない土地に、譲渡をしたときと同じ所得税を課することは無理である。それで,土地を売って利益が実現し、少なくとも、譲渡代金を回収する法的権利の生じた時点をつかまえて所得税を課することになる。しかし,そうすると,累進課税との関係で前項の退職金と似たような問題が生じる。(1,500,000円-500,000円)×40坪=40,000,000円の利益が実現したのは今年であるが,その利益が発生したのは,毎年約235万円で,その17年分である。それに、土地を売るというのも、退職金をもらうのと同様,一般の人は一生の間にそう何度もあることではない。(注)平成2年頃をピークとして地価は下落しているので、厳密に計算すれば、もうちょっと複雑になるが,単純化して説明しておいた。ということで,譲渡所得の扱いが退職所得の扱いにある程度似ているのでないかと思う。この理屈は,土地だけでなく,借家権,営業権でも,書画,骨とうの譲渡所得についても共通する。しかし、土地の売惜み,買占め,投機などの現象がでてきたので,土地については,一般の譲渡所得と区別して,さらに特別扱いをすることになった。そして,建物も土地に付着しているために,土地と同様の扱いになった。だから,土地・建物の譲渡については,一般の譲渡所得とは全く異なった課税上の取扱いを受けることになっている。

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