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家主の借家住いを理由に借家人を立ち退かせたい③

2019年12月16日「月曜日」更新の日記

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家主が立退きを求めたケースで、代替物件を探して移転することはさほど困難でないことなどを理由として、裁判所は家主が移転実費二○○万円を立退料として支払うことを条件に明渡しを認めています(東京地裁昭五六・一・三○)。これに対して、身寄りがなく老齢の女性である家主が、自分が住んでいる貸家の明渡しを求められているため、唯一の所有不動産である借家の明渡しを求めたケースでは、判決は正当事由を認めず、かなり貧しい家主が申し出た七○万円の立退料も低額すぎて正当事由を補完しないとしています。借家人が家主より更に貧しく、生活保護を受ける年寄りで、しかも病身のため、その借家を人生の終の棲家とすることを望んでいたためです(東京地裁昭三一・一○・一一一ハ)。また、借家ではなく借地の例ですが、地主が他所で借地して和装小物店を開いていたが、その借地を明け渡さざるをえなくなり、貸地の返還を受けてそこに店を移転する必要が生じた一方、借地人側も同借地上の建物で化粧品店を経営し、その収入によって一家の生計を立てているというケースで、地主が一五○○万円の立退料を申し出たのに対し、判決は同額の支払いと引換えに、借地の明渡しを認めています。この一五○○万円は、当該借地の借地権価格および建物買取価格の合計を上回る額でした(名古屋高裁昭五九・一二・二六)。

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