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設計の打合せは時間がかかる

2020年6月28日「日曜日」更新の日記

2020-06-28の日記のIMAGE
設計の仕事を依頼してきた施主から、「基礎さえしっかりしていればいいから」「二週間で建築確認下りるから、一ヶ月以内に設計図できるでしょ」と言われたりすると、本当にがっかりしてしまうものです。設計という仕事は、施主つまり、その家の住人となる人との打合せから始まります。打合せといっても、いきなり設計者のほうから、「どんな家をお望みですか?」というような話を切り出すわけではありません。どういう家をつくればいいかということは、家の形のデザインの話である以前に、その家で暮らすことになる人々が、どのような暮らし方を望んでいるか、予定しているかということと、細部において分かちがたく結びついています。したがって、打合せは、デザインの話をする前に、家族の現在の構成メ4ンバーの話から始まって、それぞれの生活時間帯、食事の仕方、よちよち歩きの子どもがいるか、歩行に不自由な高齢者がいるか否か、今後同居の予定はあるかなど、「こんなことまで」と思われかねない、家族の立ち入った話に及ぶこともしばしばです。設計者と施主の打合せは、言葉で行われるものながら、求めている「答え」は、実は言葉にすることの一番大変な、その家庭、その家族がそれぞれに持っているはずの「雰囲気」や「におい」にあたるものを見つけようとする作業でもあります。テレビのコマーシャルで見て、ほしくなった出窓をわが家につけたら、窓から隣の板塀しか見えなかった、という人がいました。テレビに出てくる部屋は、出窓の向こうが、うっそうたる森でした。あとで考えてみたら、ほしかったのは出窓ではなく、子のすばらしい眺めだったのです。

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