家族団らんで過ごせる四畳半の一戸建て!

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<価格と価額〉

2019年10月4日「金曜日」更新の日記

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住宅地域の中で,バス停などを中心に店舗がつくられて,次第に商業地域へ変化し始めた地域がある。こういう地域を移行地域といい,その中の土地を移行地(この場合は商業移行地)という。また,現況は農地地域であるが,周辺は宅地地域となり,その地域もいずれ開発されて宅地地域に転換することが確実な地域がある。これを見込地地域といい,この中の土地を見込地(この場合は、宅地見込地)という。農地→宅地と大分類で変化するのが見込地,大分類の中で変化するのが移行地である。土地の値段について,あるときは価格,あるときは価額という用語が使われている。税務でも,そのような使い分けがされている。不動産の鑑定評価でも,評価格といったり、評価額といったりと,分けて使っていることがある。どのようにして,使い分けをしているのであろうか。まず,単価として表現しようとするとき,「1m2当りの価格」といい,総額を表現するとき,「鑑定評価額×××円」というように用いている。しかし、それだけではないようである。たとえば、鑑定では,「試算価格」とか「比準価格」というが,「試算価額」とか「比準価額」という用語は使われていない。「試算価格」を調整した後で,「鑑定評価額」を決定している。相続税でも,取得財産の価額から、債務および葬式費用の金額を引いたものを,純資産価額とし、これに死亡前3年以内に贈与された財産価額を加えたものを「課税価格」といっている。この場合の価格では,単価を記載するのではなく,総額を記載している。そして,この課税価格から、基礎控除を引いたものが,相続税の総額となり,これに税率を乗じることから,税額の計算が始まる。このような角度から見ていくと、「価格」という表記は,単に単価という意味だけで用いられているのではなく、計算の過程にあるとか,いわば抽象的な金額を記載するときに用いられ、「価額」という表記は,実際に取引された金額とか,また段終的に結論づけられて、とにかくこれが唯一の正しい金額なのだというニュアンスをもっているようでもある。本荘を執筆するにあたり,そのようなニュアンスを意識しながら記述したが,そのような慣用が定着している状態ではなく,必ずしも一貫していないが,上述したようなことを漠然と考えながら読んでいただきたい。

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