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日本の所得税と譲渡所得の起源

2019年10月21日「月曜日」更新の日記

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日本で所得税が創設されたのは,明治もかなりたった明治22年である。不動産業者が建物や土地を販売すれば、所得税の対象となったが,「営利の事業に属さない一時の所得」には課税しないとされていたので、資産として保有していた建物や土地を売っても、所得税の対象外とされていた。資産としての建物や土地の譲渡所得が課税されるようになったのは,第二次大戦中の昭和17年に戦時利得税(大正7年創設)の対象に,不動産が加えられるようになってからである。なお,敗戦直後の昭和21年に同法は廃止され、同年改正された所得税法に取り入れられ、一般資産の譲渡と同様な計算方法で課税され、昭和44年に他の一般資産と切り離されて分離課税となり、長期譲渡については,猫の目のように目まぐるしい改正、改正......をへて,現在にいたっている。所得税では所得を10種類に分け、分類された所得によって計算方法が違う。したがって,どの所得に分類するかということで、税額が違ってくる。弁護士は自由業で,その所得は事業所得になる。その収入から経費を引いて所得を計算する。ところで、弁護士は各会社の法律顧問を兼ねていることが多い。その顕問料は事業収入とされているが,これは毎月一定額を支払われるので、給与と似ていないこともない。給与だとすると給与所得控除というものがある。収入のうち訴訟関係の本来の弁護士活動に関するものを事業収入とし,これからすべての経費を差し引いて事業所得とし、顧問料を給与とし,これから給与所得控除を引いて給与所得とすると,全額を事業収入として計算するより、給与所得控除の分だけ所得を少なく計算できる。これは認められるだろうか。これをめぐって訴訟までいったが,結局,給与というものは,勤務場所、勤務時間などを雇用主から指定され、拘束される関係にあり,その仕事のリスク負担が雇用主にあるような場合に支払われるものだとして、顧問料は事業所得とされた。不動産の歩合給セールスマンの場合は,普通は事業所得となるが,固定給と歩合給との組合せの場合は,勤務の状況により判定されるが、微妙なところが残るであろう。

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