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立退料を提供すれば借地契約を解除できるか②

2019年12月7日「土曜日」更新の日記

2019-12-07の日記のIMAGE
地主に正当事由があれば更新拒絶・明渡しを認めて、莫大な財産価値のある土地の返還を丸々受けさせ、正当事由がなければそれまでという両極端な結論のどちらかにするのではなく、地主にある程度正当事由が備わっていても、地主から借地人に対し、土地の返還に対する金銭的な見返りがなされ、地主の正当事由が弱い場合でも、その分、積み増しされた立退料を提供することによって双方の経済的利得のバランスをとることが必要であると考えられます。そこで、従来から明渡しを求める裁判において、その和解の場または判決において、立退料の授受を正当事由の一つの要素として認めてきたのですが、改正法は立退料の支払いなど、財産上の給付提供の申し出を正当事由肯定のための補完事由として認めたのです。立退料支払いは正当事由の補完でしかないなお、改正前においても常に立退料などの提供申し出が必要とされていたわけではなく、他の事情により正当事由が十分認められるときには、その申し出は必要ありませんでした。また、その逆に立退料などの提供申し出だけで正当事由が肯定されることはなく、自ら使用する必要など他の正当事由を基礎づける事由がなければ、正当事由は肯定されません。あくまでも立退料の支払い申し出は正当事由の補完事由でしかないからです。したがって、ご質問のケースでは立退料の提供を申し出ても、借地人がウンといわなければ土地を明け渡させるのはまず不可能でしょう。

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