家族団らんで過ごせる四畳半の一戸建て!

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主婦一人にまかせないで

2020年6月27日「土曜日」更新の日記

2020-06-27の日記のIMAGE
新築、増改築を問わず、このごろ、設計者や工務店との打合せに、主婦一人だけが出席するケースが増えたように思います。誰が言ったのか、「家づくりアメ玉論」という言葉をご存知でしょうか。家を建てることをアメ玉にたとえるなんて、ちょっとびっくりする話ですが、日ごろ、家のことも、子どものことも、妻にまかせっきりの夫が、妻に家を買ってあげることで、家庭の平和を保とうとすることを皮肉っているのです。そこで思い出すのは、「新しい家は君の好きなようにしていいからね」と、夫に言われたAさんのこと。設計を依頼されてから家ができあがるまでの間、本当に楽しそうで、この人こんなに元気だったかしらと思うほど、Aさんは足しげくショールームに通い、・カタログを集め、熱心に家づくりをしました。家ができあがり、工務店と一緒に「お世話になりました」という挨拶に行った時のことです。その元気なAさんが、「なんだか寂しいですね。できてしまったら、もうすることがなくて。これから何をしようかしら」と言いました。妻にまかせっきりだった、寛大なはずの夫が、家ができあがってから、あれこれ妻に文句をつけるのも意外でした。「夫は、君にまかせるよ、なんて言っていたけれど、考えるひまがなかっただけなんです」というAさんの言葉には考えさせられました。家族が家をつくるにあたって、あれこれ相談する機会がないまま、主婦一人が奮闘してしまい、家族みんなの家をつくる。はずが、どこかですれ違ってしまっていたのです。設計者としても深く反省させられる一件でした。

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